

モニタリングとは?
モニタリングとは?
みなさん、健康診断は受けましたか?
結果はどうでしたか?
身長はおなかの周りは去年と比べて大きくなっていましたか?
なにをいきなり!と思われた方、それこそが”モニタリング”なのです。
毎年測定をしていれば、ある年にいきなり背が大きくなったら、
「あ、成長期に入ったのかな?」とか、
おなか周りが大きくなっていたら、
「最近食べ過ぎていたからなあ」とか分かるのです。
もし、去年の身長を測っていなかったら、
最近身長が伸びた気がするけど昨年の身長が分からないから
どれくらい伸びたか分からない。ということになってしまいます。
植物のモニタリングも同じようなものです。
毎年、木の高さを測ったり、太さを測ったりすることで
木がどのように毎年変化しているのか。
さらには、木が集まって森になるので、森がどのように変化しているのかを知ることができます。
もし、森に普通と違う変化が起こっても過去のデータと比較することで
その変化を知ることができます。
調査内容について
さて、私たちは白神山地のブナ林の変化をモニタリングしているわけですが、
木は小さな種子から大木まで、大きさが様々です。
そこで私たちは木の大きさで基準を作り、
・成木
・低木
・実生(芽生え)
・種子
のそれぞれについて、調査を行なっています。

調査しているところ
私たちは、白神山地の世界遺産核心地域の中に3つの調査地(100×100m)を作りました。
1. 尾根サイト (標高620m)
太いブナが多いものの、ブナの密度は比較的低く、ブナ以外の低木やササが非常に多い
2. クマゲラサイト(標高460m)
地滑りの後に形成されたブナ林だと考えられ、比較的若いブナ林。中くらいの太さのブナの密度が高い。ササや低木の密度は低い。
3. ヤナダキサイト(標高380m)
比較的細いブナから太いブナまであり、典型的な日本海側のブナ林に近い。
それぞれ標高も地形も異なり、同じブナ林ですが異なる特徴を持っています。

蒔田ら (2021) 日本生態学会誌